「パリ、18区、夜。」クレール・ドニ監督

派手な演出はない、派手な芝居もない、人を驚かせるような音もなければ、ましてや特撮などあろうはずもない。なのになぜこんなにおもしろいのだろう。リトアニアからパリに来た女が中心だけれど主人公というわけでもないし、もちろん群像劇でもない。人が多く出てくるけれど全員が孤独であり、しかし始めから終わりまで熱とテンションが下がらない。

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「この愛のために撃て」、ロシュディ・ゼムの殺気。

「この愛のために撃て」というフランス映画。フィルムノワールというにはノンストップアクションに過ぎはするが、90分足らずの時間間断なくスリルをたのしむことができる。主演はジル・ルルーシュ。看護助手として働くサミュエル(ジル・ルルーシュ)の身重の妻が誘拐され、彼は自ら救出を試みる。その展開にいささかの無理はあるけれど、そして短い時間にやや詰…

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「愛を弾く女」クロード・ソーテ監督

タイトルからエマニュエル・べアール中心の作品かと思うが、あくまでダニエル・オートウィユ演じる主人公の複雑な心理を描いた作品。フランス映画と「室内楽」は実に相性がよく、この作品でもべアールがバイオリンを弾くシーンが大きな映像的魅力となっている。俳優たちに力のこもった演技や堅牢なカメラワークも快感。

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パブリック・イメージ・リミテッド(PIL)を崇拝していたあの頃。

この前観たのがパブリック・イメージ・リミテッド(PIL)の映像。今見てもカッコよかった、ジョニー・ロットン改めジョン・ライドン&キース・レヴィン、ジャー・ウオブル・・。かつて貪るように聴いたバンドの一つがPILなのだ。ファーストアルバム「パブリック・イメージ」はさほどでもなかったが、「メタル・ボックス」「フラワーズ・オブ・ロマンス」と世…

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