「懺悔」テンギス・アブラゼ監督

グルジア人監督の映画。ソ連崩壊前に公開された作品だというが、「映画の原点」を観ているような驚くべき充実した内容。ソビエト連邦の独裁体制を批判する内容ながら、堅苦しくも小難しくもならず、随所で息をのむようなショットが挿入される。横暴な市長の墓が何度も暴かれる冒頭のインパクトも圧倒的。

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ハックマンの迫力とチャーミング、「カナディアン・エクスプレス」。

ジーン・ハックマン主演映画「カナディアン・エクスプレス」。彼の多彩な出演作の中では大書される映画ではないが、おもしろい。90分強の時間、ダレることなく特急は進んでいく。 監督はピーター・ハイアムズ。長きに渡ってカルト映画として名高い「カプリコン・1」の監督でもある。 殺人の目撃者である女(アン・アーチャー)の証言が必要な検事(ハック…

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「詩」の歓び  ボードレール「悪魔への連禱」

「詩集を持つこと」をお薦めした手前、ときどき素晴らしい詩を紹介するべきだと自覚しているわたし。 今日はいきなりメジャーですが、シャルル・ボードレールの詩を。 「悪魔への連禱」の一部です。 おお、汝、天使のなかで最も博識で最も美しい者、 運命に裏切られ、賛歌を奪われた神、 おお、悪魔よ、ぼくの長い悲惨を憐れんでくれ!…

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