*「ドイツ零年」ロベルト・ロッセリーニ監督 [末尾ルコ

戦後1947年のドイツ。家計の足しにするために盗みを働く少年の恐るべき選択とナチス思想の影。ストーリーだけを見ると実に陰惨なものなのだが、作品は動的で陽性の美と活力に満ちている。「ネオレアリズモの傑作」などという歴史的コンテクストを抜きにしても映画ファンであれば必見の作品。

続きを読むread more

*「無防備都市」ロベルト・ロッセリーニ監督 

「ネオリアリズモの最高傑作」だ。映画ファンならもちろん知っていなければならない。しかしもしそんな映画史的コンテクストを知らずとも、多少なりとも「映画」「芸術」に興味があるのなら、「観ずに死んではいけない」と断言したくなる世紀の傑作。ナチスに取り囲まれるアパート、逮捕されるフランチェスコ、「来るな」と叫ぶ声を振り切り後を追うピーナ(アンナ…

続きを読むread more

*「ブラザー・サン シスター・ムーン」のジュディ・バウカー。 

フランコ・ゼッフィレッリ監督の「ブラザー・サン シスター・ムーン」はアッシジの聖フランチェスコの半生を描いた作品で、わたしは少なくとも五回は鑑賞している。ただ生涯ベストのひとつに入ってるかと問われればそんなことはなくて、全体的にかなりスウィートな作りに過ぎるのである。そもそも主演グレアム・フォークナーがスウィートだし、弟子クレア役のジュ…

続きを読むread more