「ジレンマの前座劇」フランソワ・オゾン監督

30分の短編。しかし実に楽しめた。いつも遅れてくる恋人に対する不平を、美しい男ルイ・ガレルがブツブツ言いまくる下らなさ、おもしろさ。しかもその不平が詩的であり、哲学的であり、さらに映像が透徹な美しさに満ちているのが、またおかしい。フランス映画ならでは。

続きを読むread more

日が沈んだ頃にやってきたセールスマン

もうずいぶん前のことだが・・。 日が沈んだくらいの時間だった。 誰かが来た。 わたしは玄関を開ける。 メガネを掛けたやや小柄で細身の男だ。 ほとんど説明もせぬままに箱を玄関先へ置いて、「置くだけで構いません、これ一箱、ここへ置かせてください」と言う。 置き薬のセールスだ。 「うちはもうあるから必要ありません」わたしはそう答…

続きを読むread more