〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「映画と文学で、あなたの人生をより強く美しくする」講座~映画「ムード・インディゴ うたかたの日々」とボリス・ヴィアン「日々の泡」でフランス文学。2016年5月18日

●末尾ルコ「映画と文学で、あなたの人生をより強く美しくする」講座~映画「ムード・インディゴ うたかたの日々」とボリス・ヴィアン「日々の泡」でフランス文学。

ボリス・ヴィアンはフランス文学好きなら当然知らない人はいないでしょうが、フランス文学好きという人たちはたいがいフランス文学の大方を知っているもので、逆に言えば現在ボリス・ヴィアンを知っていればその人はまず間違いなくフランス文学好きだと想像していいでしょう。
特にフランス文学好きでなくてもフランス文学を齧る人が日本にはけっこういたのですが、もうそんな時代は遠く過ぎ去りました。
アルベール・カミュの「異邦人」くらいまでですかねえ、フランス文学好きでなくても多くの日本人が読んだフランス文学は。
ジャン・フィリップ・トゥーサンの「カメラ」や「浴室」が一般書店でも多く見られた時期もあったけれど、長くは続かなかった。
トゥーサンもけっこう前ですよね。
アメリ・ノトンの小説なんか実に面白いけれど、日本では知られてないでしょう。

なんて話をしているのは、ミシェル・ゴンドリー監督の映画「ムード・インディゴ うたかたの日々」が案外おもしろかったから。
「案外」というのは、ゴンドリーの作品ってあまりわたしの好みではなかったし、ボリス・ヴィアンの「うたかたの日々」を(どう映像化するんだ?)と、少しでもあの小説を知ってる人なら首を捻るでしょう。
まあ「その通り」映像化できるわけもない。
シュールな表現満載の小説ですから。
映画についてはフランス国内でもかなり賛否分かれた批評が出ていました。
ただ一本の映画としてはなかなかおもしろかった。
ボリス・ヴィアンの原作は「うたかたの日々」「日々の泡」、二つのタイトルで邦訳が文庫本になっています。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック