〈「言葉」による革命〉・・・●末尾ルコ「ルビー・モレノ『月はどっちに出ている』を鑑賞することが日本の豊かさにつながる」2017年7月3日

●末尾ルコ「ルビー・モレノ『月はどっちに出ている』を鑑賞することが日本の豊かさにつながる」

末尾ルコ「映画で知性と感性を鍛えるレッスン」

前回ルビー・モレノについて触れましたが、崔洋一監督の『月はどっちに出ている』、未見の方はぜひご覧ください。
そもそも当時の作品賞、ルビー・モレノの主演女優賞と、国内の映画賞を総なめにした『月はどっちに出ている』、日本人のほとんどが観てないし、存在を知らないでしょう。
これは日本映画界が悪いのか、一般の日本人が悪いのか・・・どちらも悪いのだと思いますし、もっと悪いのがメディアだとは思うけれど、現在の日本の文化状況がそういう構造になっている事実は事実です。
しかし高評価を得た映画は映画ファンや評論家だけでなく、国民のかなりの部分によって共有されるべきであり、それが「日本国民の豊かさ」につながるのです。
アニメや漫画もレベルが高い、いいものがある。
それは分かる。
しかしやはり文学や(実写)映画、音楽などは現代世界の文化の根幹である。
当ブログでもわたしがお薦めしたい映画や文学は随時紹介するけれど、単に「趣味の話」で済ますのでなく、「日本の質の高い映画を鑑賞」することは「日本を豊かにする」ことだと自覚していただきたいのです。

というわけで、結果的に「人生を誤った」ルビー・モレノだけれど、それはそれ、『月はどっちに出ている』のおもしろさは変わらない。
ぜひご鑑賞を。

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