●ステロイド禍?若くして死んだホーク・ウォリアーやアルテイメット・ウォリアー。「Ultimate Warrior vs Undertaker WWF 1991」動画に見られるものは?

●ステロイド禍?若くして死んだホーク・ウォリアーやアルテイメット・ウォリアー。「Ultimate Warrior vs Undertaker WWF 1991」動画に見られるものは?

末尾ルコ「プロレスの話題で知性と感性を鍛えるレッスン」

ロード・ウォリアーズのホール・ウォリアーは40代で死去しており、米国プロレス界の大スターだったアルティメット・ウォリアーは50代で死去している。
現在特に新日本プロレスでけが人が続いて出てしまった事態は、「危険度の高い技を連発する」スタイルに起因する部分大だが、ホーク・ウォリアーやアルティメット・ウォリアーらが若くして死去した大きな要因がステロイドなどの過剰摂取にあったのは間違いない。
「ステロイドボディ」というものは見ればすぐ見当が付くのであって、しかしアメリカ人のマッチョと言うか、マッスル信仰は根深いものがあって、それはもちろんプロレスの世界だけでなく、かつてのハリウッドスター アーノルド・シュワルツェネッガーやシルベスター・スタローンを見ても一目瞭然である。
アルティメット・ウォリアーが活躍していた1990年代のWWFに関しては、当時プロレス誌にもちょいちょい取り上げられていたけれど、わたしにとってはとても興味を引くものではなかった。
アルティメット・ウォリアーの外見は、もちろん必要以上のムキムキマッスルボディ、しかもしっかりと日焼けサロンで赤銅色に焼いている。
しかしわたしはこの時代のWWFにはほとんど興味がなかったもので、この度新鮮な気持ちで、「Ultimate Warrior vs Undertaker WWF 1991」なる動画を視聴してみた。

顔面には派手めのペイントを施し、腕やシューズにカラフルなひも状の装飾物を付け、試合中はそれらが常に前後左右に大きく動いているわけで、その分、アルティメット・ウォリアーの動き自体も派手さが増す印象を与えるという寸法だ。
試合内容はと言えば、特に難しい技が出るわけでもなし、かと言って、もちろんプロレスの基本とされていたグラウンドのムーブやヘッドロック、腕の取り合いからの展開などはすべて省かれている。
どの技も「当たり」は軽めで、ラリアットひとつを取っても、スタン・ハンセンのように相手の首を完全に巻き込むのではなく、大胸筋の上あたりに脱力しつつ当てているように見える。
つまり試合展開だけを取ってみれば、「レスラーの身体に優しい」内容だと言えるのだが、その人気の前提としてステロイドの過剰摂取があり、「試合以外」で命を短くしてしまったレスラーが少なからずいたわけだ。

この記事へのコメント

2017年06月22日 01:22
最近のレスラーは、ステロイドだけでなく、肌を焼くことによる皮膚がんリスクもありますね。
本間朋晃も日焼けサロンで焼いているらしいので、皮膚がんリスクは高いです。
また、糖尿病は万病の元であり、食生活が相撲並みのレスラーたちは、糖尿の人も多く、それが発がん等生活習慣病の原因にもなっているのではないかと思います。ジャイアント馬場も、マイティ井上も、ラッシャー木村も、星野勘太郎も、大熊元司も、糖尿による身体のしぼみ方と息の上がり方が顕著で、サンダー杉山やサンボ浅子(この人はもともとI型ですが)は糖尿病で手足を切った挙句に亡くなりました。
もっとも馬場はそのへん休むのがうまくて、晩年まで6人タッグでフルタイムやってましたね。アントニオ猪木も糖尿のはずですが、克服していまだに議員で活動している。いったん悪くなった糖尿をどうやって克服したのか。あの人は化物ですね。

フミ斎藤が「柳澤健が取材をしていない」というのですが、第一章まで読んだところではとりあえず仲野信市が出てきました。また、資料協力でミック博士の名前まで出てくるところを見ると、かなり広範な調査は行っているのではないかと思います。
私はちらっと感じたのは、かつてのタダシタナカと吉田豪の争いに似ているので、気になりますね。
私自身の意見では、取材は大事ですが、取材に依存しすぎたら逆に真実から遠ざかるというタダシタナカの意見は少なくともプロレスの世界では正しいと思っています。1964年のUWF、これから第2章を読みます。

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