「トイレのピエタ」はある青年が進行した癌を宣告され、絶望的な心理状態になる中でエキセントリックな少女と出会い、「生」に対する意識が変わっていくという展開。青年の役をRADWIMPSの野田洋次郎、少女役が杉咲花。他の出演者ではリリー・フランキーと宮沢りえがやはりいい。
青年はかつて画家を志していたが挫折した過去を持つ。この設定が終盤大きく活かされる。映画初出演の野田洋次郎のいささかぼおっとした面長の顔を松永大司監督は巧みに切り取っていき、「無表情の中の感情」を積み重ねていく。そして最後は、「生きるとは何か」という問いかけにひとつの答えを示す。
この記事へのコメント
どちらもツアーでしか観ていない私は、その迫力、美に圧倒されましたが、ただそれだけでした。
松永大司は、その後に「エゴイスト」を撮った監督です。
衰退する一方と思える邦画界でも、新しい才能が育っているのを感じます。
生きるって、人生の終わりを迎えるって、どんな事なんでしょうか。